40代からの「うねり」はクセ毛ではない?エイジング毛特有の「空洞化」を埋める髪質改善のメカニズム
- 才野 栄治

- 2025年12月6日
- 読了時間: 6分

はじめに:そのうねり、ただのダメージだと思っていませんか?
「昔は直毛だったのに、最近なぜか髪がうねる」 「トリートメントをしても、パサつきやアホ毛が収まらない」 「ツヤが出なくて、髪が疲れて見える…」
30代後半から40代、50代にかけて、このような悩みをご相談されるお客様が急増します。実はこれ、単なるダメージや湿気のせいだけではありません。
その正体は、加齢によって髪の内部構造が変化する**「エイジング毛(加齢毛)」**のサインかもしれません。
多くの人が「クセが出てきたから」と安易に縮毛矯正をかけようとしますが、エイジング毛へのアプローチを間違えると、かえって髪を傷めてしまうことがあります。
この記事では、大人髪特有の「うねり」の原因を科学的に解説し、本当に必要なケアについて美容師の視点で紐解きます。
なぜ年齢とともに髪はうねるのか?犯人は「髪の空洞化」
「エイジング毛」とは、簡単に言うと**「髪の中身がスカスカになり、バランスが崩れた状態」**のことです。
1. 髪の「骨粗鬆症」のような状態
髪の毛の内部は、海苔巻きのように中身(タンパク質や脂質)が詰まっています。しかし、年齢とともに血流やホルモンバランスが変化すると、髪に栄養が行き届きにくくなり、内部の脂質(CMC)やタンパク質が減少します。
これを**「髪の空洞化(ダメージホール)」**と呼びます。中身が詰まった海苔巻きはピンとしていますが、具がスカスカの海苔巻きはフニャッと曲がってしまいますよね?これが、髪にハリ・コシがなくなり、うねってしまう原因の一つです。
2. 水分バランスの崩壊(コルテックスの偏り)
髪の内部には、以下の2種類のタンパク質(コルテックス)が存在します。
水を吸いやすいタンパク質(親水性)
水を弾くタンパク質(疎水性)
若い頃はこの2つが均等に配置されていますが、エイジングによりこのバランスが崩れ、偏りが生じます。すると、湿度や汗などの水分を不均一に吸収してしまい、髪が歪んで(うねって)しまうのです。
【セルフチェック】私はどっち?「元々のクセ毛」と「エイジングうねり」の違い
あなたのそのうねりは、生まれつきのものでしょうか?それともエイジングによるものでしょうか? 対策が変わってくるため、まずは以下のチェックリストで確認してみましょう。
① 元々のクセ毛(遺伝的要因など)
子供の頃からクセがある。
髪が濡れている時の方が、ウェーブやカールが強く出る。
毛根の形自体が曲がっている。
全体的に均一にうねる。
②エイジングうねり(加齢による変化)
30代後半〜40代から気になりだした(昔は直毛だった)。
濡れている時より、乾いた時の方がボワっと広がる。
髪の表面がボコボコ・ジリジリしていて、ツヤがない。
顔周り(こめかみ)やもみあげ、襟足など、細い毛からうねりだした。
もし**「②」**に多く当てはまるなら、強い力で伸ばす縮毛矯正よりも、髪の体力を回復させるケアが必要です。

エイジング毛に「縮毛矯正」はNG?安易にかけてはいけない2つの致命的な理由
「うねりをなんとかしたい」と思った時、真っ先に思い浮かぶのが縮毛矯正(ストレートパーマ)かもしれません。しかし、エイジング毛のお悩みに対して、当店では縮毛矯正をおすすめしておりません。
「えっ、クセを伸ばすなら縮毛矯正じゃないの?」と思われるかもしれませんが、これには大人髪ならではの明確なリスクがあるからです。
理由1:髪が「ペタンコ」になり、老け見えしてしまう
40代以降の髪の悩みで多いのは「うねり」であると同時に、**「トップのボリューム不足」**です。
縮毛矯正は、薬剤と熱の力で髪を強力に真っ直ぐにします。確かにうねりは消えますが、同時に根元の立ち上がりや自然なボリュームまで奪ってしまいます。 エイジング毛に縮毛矯正をかけると、髪が頭皮に張り付いたような「ペタンコ髪」になりやすく、結果としてお顔が大きく見えたり、実年齢より老けて見えたりする原因になってしまうのです。
理由2:スカスカの髪は、薬剤のパワーに耐えられない
先ほど解説した通り、エイジング毛は内部が「空洞化」しており、いわば骨粗鬆症のようなデリケートな状態です。
従来の縮毛矯正剤(アルカリ剤)は、健康な髪の結合を切断するほどパワーが強いため、空洞化した髪に使うと負担が大きすぎます。最悪の場合、髪がチリチリになる**「ビビリ毛」**になったり、弾力を失ってゴムのように伸びてしまったりするリスクが高いのです。
【結論】大人のうねりは「伸ばす」のではなく「埋める」が正解
若い頃の健康で太いクセ毛なら縮毛矯正も有効ですが、加齢によるうねり(痩せた髪)に対して、無理やり「伸ばす」施術は逆効果です。
必要なのは、薬剤でダメージを与えることではなく、痩せてしまった髪の内部を栄養で**「埋める」こと。 だからこそ、当店ではエイジング毛のお客様には縮毛矯正ではなく、次に紹介する「髪質改善」**を強く推奨しています。
当店の「髪質改善」が大人髪に効く科学的理由
当店の髪質改善メニューは、単に表面をコーティングしてツヤを出すだけではありません。**「架橋(かきょう)」**という化学反応を利用しています。
「架橋効果」で髪の骨組みを作る
エイジング毛は、内部の結合が切れて弱くなっています。そこに、レブリン酸やグリオキシル酸といった特殊な成分を浸透させ、熱を加えることで、髪の内部に**「新しい柱(結合)」**を作り出します。
これにより、空洞化してヘタっていた髪が内側から支えられ、
自然なハリとコシが戻る
水分バランスが整い、湿気に強くなる
光をきれいに反射する「天使の輪」が復活する
という効果が得られます。「整形手術」ではなく、髪の「筋トレ」をして体幹を鍛えるようなイメージです。

美容師が教える、お家で「うねり」を悪化させない3つの習慣
サロンでケアしても、ホームケアが間違っていると効果は半減してしまいます。今日からできる3つのポイントを意識してください。
1. お風呂上がりは「即」乾かす
髪は濡れている時、内部の結合(水素結合)が切れて不安定な状態です。自然乾燥をさせると、うねった状態で結合が固まってしまいます。「タオルドライしたらすぐドライヤー」が鉄則です。
2. 「引っ張りながら」熱を当てる
ドライヤーをかける際、手ぐしで髪を軽く下に引っ張り(テンションをかけ)、風を上から下に向かって当ててください。これだけでキューティクルが整い、ツヤとまとまりが格段にアップします。
3. シャンプーは「補修成分」入りを選ぶ
エイジング毛はデリケートです。洗浄力の強い「高級アルコール系(ラウレス硫酸Naなど)」は避け、**「アミノ酸系」や、髪の補強成分である「ヘマチン」「ケラチン」**が配合されたシャンプーを選びましょう。
まとめ:エイジング毛は「治す」のではなく「満たす」
年齢とともに髪質が変わるのは自然なことです。しかし、適切なケアで**「今の年齢で一番美しい髪」**を作ることは十分に可能です。
「私の髪には、ストレートが必要?それともトリートメント?」 と迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。
当店のカウンセリングでは、まずお客様の髪の**「空洞化レベル」と「クセの種類」**を診断し、最適なメニューをご提案させていただきます。
諦めていたそのうねり、科学の力で「艶めく大人髪」に変えてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【執筆者略歴】
才野 栄治
1969年6月広島県生まれ
1985年美容師に3店店舗で経験
2000年4月神戸元町にhair design Ray'zをオープン
2012年2月三宮に移転、くせ毛に特化したサロンに
【資格・実績】
美容師免許
管理美容師免許
美容師歴40年
延べ10万人を担当
講師活動、延べ1.000人を指導
TV出演、雑誌掲載多数
受賞経験、カットコンテスト入賞など




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